マット安川 今回のゲスト、浅川博忠さんはソフトな口調で厳しい政治評論を展開される方です。与野党の大連立への動きや告示日を迎えた統一地方選挙についてお聞きするとともに、仙谷官房副長官と菅総理との関係や、その微妙なズレなどについてもお聞きしました。
統一地方選候補者は自粛ムードに流されず街頭に立て
政治評論家としてテレビ・ラジオ、週刊誌などで政治解説、コメンテーターを務める。『小沢一郎 独走す』(東洋経済新報社)など、著書多数(撮影:前田せいめい、以下同)
浅川 いま統一地方選の選挙活動が行われていますが、こういうご時世だからあまり派手にやるのはやめよう、有権者から顰蹙を買うかもしれないということで、みんな遠慮して腰が引けています。
都知事選でけっこう街頭演説をやっているのは共産党の候補者(小池晃前参院議員*1)くらいです。ほかはみんな建物の中で防災セミナーの勉強会みたいな形で人を集めている。
しかし、選挙というのは自分のやりたいこと、言いたいことを声高らかにアピールしなければいけません。自粛し過ぎると何を訴えているのか分からない。
候補者はどんどん街頭に立って、こぶしを振り上げてでも熱弁を振るって」ほしい。10日、そして24日の投票日まで、地方自治の大切さを我々に分かるようにしっかり説明してほしいですね。
今回の地方選挙のメインテーマは本来、各自治体が抱える財政問題の再建と高齢者対策、医療や福祉の問題にどう対応するかになるはずでした。名古屋などでも市会議員の数や給料の削減といった緊縮財政が争点になりました。
それが大震災が起きたため、防災都市のあり方という問題にテーマが変わっている。ただ、みんな一夜漬けなので、どれだけ訴えられるか。それに防災に対応するにもまた財源が必要になってきます。
候補者がただ耳においしいだけの話をしているのか、きちっと財源も説明しながら防災都市をどうつくっていくのか、我々はそこをしっかり見極める必要があると思います。
いま、変な自粛ムードがいろいろなところに広がっています。宴会をやめましょうとか。過ぎたるはなお及ばざるが如しで、年度も替わったんですから、ある程度解放していいところは解放しなければいけない。
何でも自粛して下を向いていますということでは、経済も止まってしまいます。
*1:小池氏は都知事選には日本共産党の推薦を得て無所属で立候補