マット安川 日本共産党政策委員長として日々国民と接し、日本の行く末をひたすら案じている小池さん。同時に、政党助成金を受け取らないなど「高潔な野党」として活動する日本共産党を、分かりやすく国民に伝えようと真摯に対応される姿が印象的でした。
歴史的事実を事実と認める。真の友好関係はそこから始まる
日本共産党政策委員長、元参議院議員。東北大学医学部卒業後、病院勤務を経て1998年に参議院選挙初当選。医師の経験から「世直しドクター」と呼ばれる。(撮影・前田せいめい)
小池晃 共産党の志位和夫委員長は、先に在日本大韓民国民団が行った光復節記念式典に出席して、1910年の韓国併合を「不法・不当」であるとの認識を示しました。
これを卑屈で自虐的な態度と批判する方に、一言申し上げたいと思います。それは、真の友好関係は歴史的事実を事実として認めることから始まるということです。
日韓併合条約は軍事力を背景に日本が韓国に強いたものであり、対等に合法的に結ばれた条約ではありません。日中戦争も誰が見たって、進んで中国大陸に攻め込んだのは日本です。つまり、侵略以外のなにものでもない。
日本人だからと日本の立場を擁護するのではなく、事実をあくまで客観的に認識し共有することは、近隣諸国との信頼関係の大前提ではないでしょうか。
閣僚の靖国神社参拝に反対するのも理由は同じです。戦争の犠牲になられた方に敬意を表するのは当然ですが、靖国神社は政治色が強すぎます。
先の戦争を賛美する展示物がある遊就館という博物館を持ち、しかもA級戦犯が合祀されている宗教施設に参拝すれば、あの戦争が正しかったという立場を示すことになる。アジア諸国の方々をことさら不快にするようなことは避けるべきでしょう。
共産党がこれらの問題にこだわるのは、大正時代に結党した際の原点が「侵略戦争反対」だからです。時の権力に命さえ脅かされながら、断固として戦争に反対してきた歴史が私たちにはあります。その姿勢は結党から88年たった今も変わりません。
もちろん、アジアの国々に対しても言うべきことは言わねばなりませんし、私たちはそれを実践しています。例えば、拉致問題を最初に国会で取り上げ、当時の官房長官に北朝鮮の反抗と認めさせたのは共産党です。