サンフランシスコのUber本社。2017年3月撮影(写真:AP/アフロ)

 海外報道によると、昨年(2018年)3月に米アリゾナ州テンピで試験走行中に女性をはねて死亡させた米ウーバーテクノロジーズの自動運転車には、ソフトウエアの欠陥があったという。

ジェイウォーカー対する考慮なし

 これは、米運輸安全委員会(NTSB)が11月5日に明らかにしたもの。ウーバーの車両は、自転車を押して道路を横断していた女性を歩行者と認識していなかったという。また、システムの設計には、横断歩道以外を渡る歩行者に対する考慮は含まれておらず、女性に衝突する1.2秒前まで障害物として認識していなかったという。

 NTSBは、この米国初の自動運転車による歩行者死亡事故発生までの1年半の間、ウーバーの試験車両は37件の事故を起こしていたとも報告している。

 ウーバーは死亡事故の後、しばらく公道走行試験を中止していたが、ソフトウエアを改修するなどして安全性を高め、同年12月にペンシルベニア州ピッツバーグで試験を再開した。

 ウーバーの広報担当者は今回の報告を受けて「調査を重く受け止め、NTSBが今後示す勧告を検討していきたい」とコメントしたという。