リファラル採用は他の採用経路より、マッチ度や合格率が圧倒的に高い
――リファラル採用を導入されて1年弱が経ちましたが、直近の成果を教えてください。
キャリア採用に関しては、この1年で約150人を採用しましたが、そのうち15人がリファラル採用を通じて入社しました。全体の1割近くがこの制度で採れたので、初年度としては良い滑り出しで、手応えを感じています。
リクルーターである社員自身も、紹介する以上は本当に富士通で活躍してくれそうな人材を真剣に考え、選んでくれました。ですので、リファラル経由の応募者はほとんどが我々の求めるスキルや人物像にマッチしていました。また応募者本人も事前に富士通に関していろいろと話を聞いたうえで、正しい理解を持って応募してくれているので、今のところ内定を辞退されたケースはありません。エージェントからの紹介や転職フェア、自社の求人サイトなど、他の採用経路と比べ、合格率が圧倒的に高いのも特長です。
――成果が得られた一方で、課題やご苦労されている点はございますか?
全社にリファラル採用の文化を浸透させることが目下の課題です。制度面や運用面に問題はなく、ここまで一定数の採用にも結びつけることができ、大きな手ごたえを感じています。今後、リクルーターとして活動する社員の数が増えれば、さらなる成果の向上につながると考えています。
もともと富士通のキャリア採用は、社員がリクルーターとなって採用活動を行うという文化がありませんでした。そのため、インセンティブをつけたり、制度を周知したりしても、社員がそれを自分のミッションとして認識し、行動に結びつけていくには、それなりに時間がかかるとみています。裾野を広げるための施策もいろいろと検討はしていますが、まずは地道に広報活動を続けていくことが重要だと考えています。
リファラル採用支援ツールの活用でより手軽に紹介できるようになる
――リファラル採用支援ツール「MyRefer」を導入されているそうですが、これはどのように活用されているのでしょうか?
MyReferさんには、導入準備の段階から関わっていただき、制度設計や社内周知、ツールの使い方など、さまざまな部分でサポートいただきました。活用に関しては、社員向けのリファラル採用専用ホームページに「MyRefer」へのリンクが貼ってありますので、そこから各自サイトにアクセスしてもらいスマホにアプリをダウンロードするなどして利用登録するイメージです。
ツールを活用することで、社員はいつどこにいてもリアルタイムで自社の求人を確認することができるので、もし「この仕事は知人の〇〇君に合うのではないか」と思ったら、その知人の方に求人内容などをお伝えいただき、紹介いただくという流れです。
――その後、選考プロセスはどのように進むのですか?
本人が弊社に興味を持ち、応募していただいたら、そこから選考がスタートします。一方、リクルーターの役割は応募者の推薦コメントを書いてもらい終了です。一部の社員から「友人が選考に関与すると本人も断りづらくなるのでは?」といった心配の声もあったため、リクルーターは選考に一切関与させないこととしています。そして、そこからは通常の選考プロセスと同様に書類選考、面接など行い、合否結果が出たら、リクルーターにもフィードバックします。
――「MyRefer」を使って良かった点、メリットなどがありましたら教えてください。
「MyRefer」はLINEやFacebookなどSNSと連携しており、ワンクリックで紹介できる手軽さが一番の魅力です。また、社員へのリアルタイムでの情報告知など、人事の手間をかけずに管理できるのも大きなメリットだと思います。