2019年3月25日。カリフォルニア州クパチーノ、スティーブ・ジョブズ・シアターで開催された新製品発表イベント(写真:AP/アフロ)

 米アップルは11月1日にサブスクリプション形式(定額制)の動画配信サービス「Apple TV+」を始める。月額4.99ドル(日本では同600円)という他社を下回る料金や、iPhone、iPad、Macなどの同社製品の購入者に対する1年間の無料視聴という特典を武器に、利用者数を一気に拡大させたい考えだ。

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動画と音楽のバンドルサービスを計画

 こうした中、同社は、もう1つの仕掛けを準備しているようだ。英フィナンシャル・タイムズの10月7日付の記事によると、アップルは動画配信と音楽配信を組み合わせた、新たなサブスクリプションサービスを計画中だという。

 今のアップルは、短期的な利益よりも会員数の拡大に関心がある。そのため、動画と音楽のバンドルサービスは、低料金で提供されるとみられている。これは消費者にとってうれしい話だが、レコード会社にとっては大きな懸念材料だという。

 また、アナリストらは、アップルがゆくゆくは、あらゆる同社サービスを組み合わせた“スーバー・バンドル”とも呼べるサブスクリプションを提供すると予測している。これには、動画や音楽の配信のほか、雑誌や新聞の読み放題サービス「News+」、ゲーム配信の「Arcade」、アップル製品の保証とサポートサービス「AppleCare+」などが含まれるとアナリストらはみている。

アップル、大手レコード会社に打診

 フィナンシャル・タイムズによると、アップルは新たなバンドルサービスについて、すでに大手レコード会社に打診している。今のところ金額の交渉には至っていないが、アップルの構想に耳を傾けているレコード会社もあるという。