日本には嫌がらせ、中国には恭順

 韓国について不可解に感じる三点目は、日本に対しては嫌がらせを繰り返す態度と、中国に対する対応とがあまりにも違うという点だ。

 最近の韓国の日本に対する嫌がらせとも思える行動は目に余る。例えば以下のような点だ。

・IAEAの総会で、東京電力福島第一原発の放射能物質を含んだ処理水の処分をめぐって、韓国代表は「汚染水問題は未解決で世界中で恐怖と不安が増大していると発言した。

・来年の東京オリンピック、パラリンピックへの旭日旗の持ち込みを禁止するよう求め、パラリンピックのメダルは旭日旗を連想させるとしてデザインの変更を求めた。

・日本の輸出管理強化をめぐってWTOに提訴した。

・国連で文在寅大統領は、国名を上げなかったものの、「過去への真摯な省察の上で、自由で公正な貿易の価値を守る」ことを求めたが、韓国のメディアによればこれは日本への事実上の非難メッセージであるという。

 日韓関係は、これまで紆余曲折があり必ずしも、一本調子の改善ではなかったが、両国外交当局間でこれを解決してきた時は、国民感情を刺激しない問題をまず解決し、その後により難しい問題に取り組んできたものだ。しかし、現在の文政権はあらゆる問題で日本に攻撃的な姿勢を取ってきている。これは日韓関係を改善しようという姿勢とはかけ離れている。

 日本に対する態度とは対照的なのは中国との関係である。中国は在韓米軍によるTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)の配備に対し、強硬に抗議し、韓国製品のボイコット、韓国の中国進出企業に対する嫌がらせ、韓国旅行の制限措置を繰り返した。しかし、韓国はこれに対する対抗措置は取らず、むしろTHAADの追加配備はしないなどの約束をした。また、領土問題についても、中国は国策研究で高句麗は中国の地方政権と主張し、韓国の反発を招いたが、盧武鉉政権の頃に手を握り、うやむやにしている。

 この違いはどこから来るのか。韓国は儒教を信奉する国であり、漢民族に倣うことを理想とし、中華と蛮族をはっきり区別している。満州族である清に従うことを潔しとはしなかったが、自分たちは小中華であると納得させ中国の伝統に従ってきた国である。

 その韓国が日本に併合されたことはどれだけの屈辱であったか。その思いがあるから、日本には執拗に謝罪と反省を求めるのである。そして、その過ちを繰り返さないとして日本には必要以上に反発するのである。