とんでもない火種が持ち上がった。
株式会社ドームは25日、今年6月に発売した錠剤サプリメント「アイアンSP」から世界ドーピング機関(WADA)指定の禁止薬物が検出されたとリリースで発表した。同社が反ドーピングの国際認証を受ける目的で英国の検査機関にサプリメントの分析を依頼したところ20日夜になって通達があり、筋肉増強作用のある3種の禁止薬物の成分が含まれていたことが判明したという。
何も知らずに「問題のサプリ」摂取したアスリート
同社側によれば、本来はサプリメントに含まれている成分ではないものの、委託先の国内工場の同じ製造ラインで作られていた他社の商品に含まれる禁止薬物の残存成分が何らかの理由で混入した可能性が高いとみられている。このサプリメントはすでに約2000個が流通しており、回収を急いでいる模様だ。
同社側の見解では、禁止薬物の混入量は微量とみられ、摂取したとしてもドーピング検査で陽性反応が出る可能性も極めて低いとしているが、こればかりはさすがに「絶対に何の問題もない」とは断言できない。
同社と契約し、ドーピング検査の結果が死活問題に直結するスポーツ界のアスリートたちにとっては耳を疑いたくなるような問題発覚であろう。そして深刻にとらえざるを得ないのは、同社と契約中で何も事情を知らずにこのサプリメントを摂取した疑いのあるプロ野球選手たちである。