米アマゾン・ドット・コム傘下の高級スーパーマーケットチェーン「ホールフーズ・マ ーケット」で商品の価格がさらに引き下げられたと米CNBCなどの米メディアが8月27日に報じた。今年(2019年)8月時点の価格は昨年から平均で2.5%下がったという。
買収直後から大規模値下げ戦略
アマゾンが米国やカナダ、英国に約480店舗を持つホールフーズの買収手続きを完了したのは2017年8月末。このスーパーは、その割高なイメージから「ホール・ペイチェック」と揶揄されていた。給料のほぼすべてが高額食料品への支出で消えてしまうという意味だ。
そこで同社は、買収直後からバナナやリンゴ、アボカド、レタス、卵、サーモン、牛肉といった人気の自然食品など、数百に上る商品を対象に値引き戦略を展開した。
その後も段階的な値下げを実施。今年4月には、買収後最大規模という平均20%の値下げを行った(発表資料)。
(参考・関連記事)「アマゾン、傘下の高級スーパーで大規模な値下げ作戦」
ただ、オーガニック食品などを扱っているせいか、ホールフーズの価格は今でも競合のスーパーと比べて高いようだ。
米モルガン・スタンレーの最新の調査ノートによると、ホールフーズは他のスーパーよりも平均で12~13%高い。大手スーパーマーケットチェーンのクローガー(Kroger)との比較では同27%高いという。しかし、かつてこれらの価格差は、それぞれ約20%と約40%あった。これまでの段階的な値下げにより、競合との価格差を縮めているという。