15日、中央社会保険医療協議会は、白血病の治療に使う新薬「キムリア」への保険適用を了承した。薬価は3349万円で、製造販売元はノバルティスファーマである。これまで、国内で保険適用された薬の単価としては最高である。

高額治療を誰もが低負担で利用できる「高額療養費制度」

 新薬の価格が話題になったのは、抗がん剤のオプジーボが広く使われるようになったときである。皮膚がんのみならず、肺がんにも効果があることが分かり、一気に使用が増えた。当初は1回130万円で、1年間使い続けると約3500万円にもなったが、使用者が増えたため、今では4分の1の価格になっている。

 オプジーボの保険適用は2014年9月であるが、高額医薬品では、その後、C型肝炎治療薬のハーボニー(670万円、12週間)、脊髄損傷対象のステミラック(1500万円、1回)、が保険適用になっている。アメリカでは、遺伝性網膜疾患治療薬のラクスターナが9500万円、リンパ腫対象のイエスカルタが4200万円である。

 今後もこのような高額医薬品が開発されることが予想されるが、薬価は開発研究にかかった費用を基にして決定される。しかし、その費用の開示度が十分ではなく、今回のキムリアの場合は50%未満であった。

 厚労大臣にとっても中医協の議論は専門的すぎるし、逆に、診療報酬などの決定に際しては、たとえば医師会の要望に配慮するなど政治的判断が加わることもある。

 キムリアは、アメリカでの価格が5000万円であるが、それは効き目に応じて患者から報酬を受ける仕組みになっているためで、保険で一律に価格が決まる日本では、より安い価格となっている。

 日本には、そのような公的保険制度のメリットがあるが、高額の医薬品は制度そのものの維持に大きな問題を投げかけている。

 保険が適用されると、支払いは、窓口負担が1〜3割であるが。日本には「高額療養費制度」という制度がある。それは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度である。

 具体的な例をとると、69歳以下で、年収が約370〜約770万円の場合、一月の上限額(世帯ごと)は、[8万100円+(医療費-26万7000円)×1%]となる。たとえば、医療費が100万円のケースだと、窓口負担は3割の30万円ではない。8万100円+(100万円-26万7000円)×1%=8万7430円が上限額となり、これが実際の自己負担額である。