大連市の投資環境は日本企業に別格の好条件
4月中旬に筆者は大連市を訪問した。
大連市は1993年から2000年まで市長・書記を務めた薄熙来氏が2012年3月に汚職・スキャンダルの摘発で失脚した影響もあって、停滞が続いていた。
しかし、2018年1月に習近平主席に近いと言われる譚作鈞書記が就任、同年11月には譚成旭市長が就任し、人事刷新と共に再び活気を取り戻しつつある。
昨年12月には日本企業と大連市政府との交流の場に同市の書記・市長が揃って出席するなど異例の重視姿勢が示された。
その席上、大連市政府は年3回、日本企業との定期交流の場を持つことを提唱し、本年4月1日に第1回会合が開催された。
2018年末頃以降、市政府内部では「深耕日本」のかけ声の下に、一段と日本との協力強化に傾倒している。
大連市は戦前から日本人が多く住んでおり、地元の中国人との関係改善に配慮していたため、歴史的に親日的だった。
それに加え、薄熙来市長時代に日本企業を積極的に誘致したことから、大連市には1550社の日本企業が進出しており(2017年時点)、上海、タイの首都バンコクに次ぎ世界で3番目に進出している日本企業数が多い。
市街地の人口約200万人のうち、約19万人が日本企業で働いており、ほぼ10人に1人が日本企業関係者であるため、日本企業の存在感が圧倒的に大きい。
市内の各大学には日本語学科があり、日本語人材も豊富。地下鉄でも日本語アナウンスが流れるなど、日本との関係が比較的深い東北3省(遼寧・吉林・黒竜江)の中でも親日度は別格である。