また米国の調査会社NPDグループによると、米国の音楽販売市場でアップルのシェアは28%。これに米アマゾン・ドット・コムとウォルマート・ストアーズがともにシェア12%で続いている。
しかし音楽のダウンロード販売はここ最近成長が鈍化しており、CD販売の不振を補えない状況になっている。
2009年から2010年にかけてのダウンロード販売の伸び率は1%。音楽CDは前の年に比べ12.7%落ち込んでおり、レコード会社は危機感を募らせているという。
その一方で米国では、米パンドラメディアやアールディーオー(Rdio)、欧州ではスウェーデンのスポッティファイ(Spotify)といったサービスが台頭している。
これらは楽曲ファイルをダウンロードする必要がないストリーミングサービスで、例えばアールディーオーの場合、「音楽ダウンロードサービスのアルバム1枚分の料金で好きな時に無制限に聴ける」と安さを強調している。
アップルはこうした新興勢力に対抗し、ダウンロードサービスの需要を維持したいのだという。
オンラインサービスを包括的に見直しへ
なお、かねて米ウォールストリート・ジャーナルが、アップルが「モバイルミー(MobileMe)」の刷新を計画していると報じていたが、ブルームバーグの記事もこのことに触れている。
モバイルミーはファイルなどを保存しておけるオンラインストレージのほか、連絡先やカレンダーのデータ、メモ、ウェブブラウザーのブックマークなどを保存しておき、パソコンやアイフォーン、アイパッドなどと同期できるというサービスで、アップルは年額99ドルで提供している。
同社はこれを無料にし、音楽の機能も付加してオンラインサービスを拡充する計画というのだ。
しかし、こうしてサービスが便利になると顧客のCD離れはますます加速すると考えられる。それでもレコード会社は手をこまぬいてはいられない。テクノロジー企業と協力して不振が続く音楽販売を立て直すべく模索している。
