中国でお見合い休暇、恋愛休暇が登場。従業員の反応は?(写真はイメージ)

「結婚適齢期」の息子、娘に親がプレッシャーをかけるのはよくある話。日本でも中国でも親の心配は変わらない。しかし、中国では会社までもが結婚を促し、婚活を手厚くサポート。そうした「おせっかい」を社員はどう受け止めているのか? 中国・上海の投資コンサルティング会社で働く山田珠世氏がレポートする。(JBpress)

結婚まで至るとボーナスが倍に

 春節(旧正月)を控えた1月末、中国・杭州市のある企業が30歳以上の未婚女性社員を対象に「春節お見合い休暇」を打ち出した。今年の春節休暇は2月4日から1週間だったが、これにプラス8日で計15日の休暇を与える何ともうれしい施策だ。

 春節お見合い休暇を奨励したのは興行大手の宋城演芸発展である。同社によると社員の6割強が女性。女性社員は社外の人と接触する機会が少ないため、休暇を増やすことで異性と接触する時間とチャンスが得られることを願う、としている。

 お見合い休暇は必要に応じて延長も可能。さらに、2019年12月31日までに結婚した女性社員については、同年の年末賞与を倍にして支給する方針なのだとか。

 1年でお見合いから結婚まで至るのは容易ではないだろう。「結婚したら休暇が少なくなるから、もっと結婚したくなくなる!」「独身男性には休暇がないのに、誰とお見合いするの?」「30歳以上の女性はお見合いなんかしたくないのが本音。残業を理由に『結婚しろ』と言う親から逃げたがっている」といった声も聞かれる。

 だが、中国のネットユーザーの反応は、総じて好意的だ。「普段、忙しくて恋人を作る時間のない社員に対する“良心的な配慮”」という称賛の声が多い。

教師向けには「恋愛休暇」

 中国では、このお見合い休暇が話題になる少し前にも、同じく杭州市の中学校が未婚の教師向けに「恋愛休暇」を打ち出している。「授業に影響のない範囲で」という前提で、1カ月に2度、半日以内の休暇を取ることができるという。