そして遼寧による運用経験から得た教訓を盛り込みながら、2018年4月には初の国産空母である001A型航空母艦を誕生させ、海上公試を開始した。001A型空母の海上公試と入れ替わりに、それまで5年半に渡って使用してきた遼寧はドック入りして大幅な改良が加えられたようである。

 001A型空母も、遼寧同様に訓練空母と位置付けられる。中国海軍が空母や空母艦載機、そして空母艦隊の運用を実地研究しつつ経験を積み、そこからのフィードバックを生かしつつ真の実戦用航空母艦と空母艦載機を開発するための訓練用・開発研究用航空母艦と考えるべきであろう。

中国海軍の001A型空母

002型空母、そして原子力空母へ

 長年にわたって実際に空母艦隊を運用しているアメリカ海軍関係者たちは、航空母艦と空母以外の水上艦は全く別物であることを強調する。いくら空母以外の巡洋艦や駆逐艦など水上戦闘艦艇や大規模艦隊の運用経験が豊富な海軍(たとえば海上自衛隊)であっても、航空母艦や空母艦載機、そしてなによりも空母艦隊の運用を習得するには長い年月と様々な試行錯誤が必要なのだ。

 どの海軍といえども、他国海軍(同盟国といえども)に空母運用方法などを親切に伝授することなど100%あり得ない。そうである以上、中国海軍が自ら訓練用・開発研究用航空母艦を手にして、空母、艦載機そして空母艦隊の運用方法を身につける努力を続けているのは当然のステップである。