現在、中国海軍が遼寧を用い始めてから6年が経過し、001A型空母もまもなく海上公試を終えて正式に就役する(今年の4月頃、遅くとも中国海軍創建70周年を迎える今年の10月1日までには)ものと考えられている。その後は遼寧と001A型空母の2隻によって、さらなる訓練と研究が進められることになる。

 現在、中国海軍は、2隻の002型航空母艦と、003型原子力空母の建造を進めている。002型空母2隻が就役して、遼寧と001A型空母の訓練空母としての役割が終了した頃には、中国空母がパキスタン海軍へ移籍されることになるかもしれない。

目標は原子力空母の運用

 中国海軍にとっては002型空母も最終目標ではなく、開発研究目的が色濃い空母とみなせる。

 002型空母には、遼寧と001A型では用いることができなかった「カタパルト装置」(航空母艦から艦載機が発進する際に、航空機を飛行甲板から射出する装置)が採用されている。カタパルトの採用と並行して、空母艦載機もさらに進化させる努力がなされているものと考えられている。002型空母の開発建造は、中国海軍の空母関連技術が一歩ずつアメリカ海軍に近づいていることを示しているのである。

米空母の甲板に設置されたカタパルト

 そして、カタパルト(米海軍でも最新の電磁式カタパルトと言われている)を備えた002型空母を2隻生み出すことによって、中国海軍はさらなる訓練を重ねることになる。