朝、トラーパニ旧市街と新市街の境目にあるバスターミナルから、バスでエーリチェを目指します。バスを待つ間に、挨拶をしてくれた犬は、バスターミナルをねぐらにしているそうです。
山道を走るバスに乗車したら、できるだけ中央部に座ること。これは、以前スペインのアンダルシア地方を旅した際の経験から、肝に命じています。
最後部の座席が少し高くなっているので、そこに座れば、見晴らしがきいてよいかなと安易に考えて座ったのが運の尽き。つづら折りのカーブを曲がるたびに大きく揺れます。しかもカーブを曲がりきらないうちに一気に加速。気持ちが悪くなってしまった経験は、いまだに忘れられません。
トラーパニからのバスは、およそ45分でエーリチェに到着しました。天空の町と呼ばれるエーリチェの標高は、751メートル。サン・ジュリアーノ山の頂上に築かれた町で、歴史は紀元前まで遡ります。山頂には城跡、教会、レストラン、ホテルのほか、多くの住居もあります。
「まぁ、なにこの景色! すごい。眼下に広がるのは、トラーパニの町かしら? あちらは、塩田かしら?」と、パノラマ風景を楽しんでいると、さっそく猫が現れました!