現在の農家の実情に合わせた施策を。

(篠原 信:農業研究者)

 フェイスブックの、とある情報交換グループで、次のようなことが話題になった。

「農家だというだけで(審査の)点数が少なくなり、保育園に子どもを預けることができない」

 豆腐屋や衣料店など、小さな小売店を営む自営業の場合は点数が多めについて優先順位が高くなるのに対し、農家だというだけで、最大で17点しかつけてもらえない。家族構成も働き方も自営業と変わらないのに。そのため優先順位がかなり低くなり、保育園に子どもを預かってもらうことは難しいだろう。そう、市の担当者から言い渡されたのだという。

 すると、似たような証言が別の方から出た。

 大阪府内の農家。子どもを保育園に預けようとしたところ、やはり農家というだけで点数が低く、優先順位が低すぎて保育園に預けることは困難だろう、と役所の人に告げられた。ただ、その子どもはアスペルガー症候群の診断を受けており、役所の人が機転を利かせてくれ、子どもの状態を優先することでなんとか保育園に預かってもらうことができたという。

 この経験からも、農家であるだけで、保育園に子どもを預かってもらうことは難しくなる、という話であった。