「恭喜発財(コンシー・ファッ・ツァイ)!」
2月5日の春節が迫り、インドネシアの首都・ジャカルタにあるチャイナタウン、パサールグロッドックでは、「お金持ちになりますように!」と新年のかけ声が日に日に大きく響き渡っている。
師走の店の軒先は、赤や金色の旧正月一色の提灯や縁起物で埋め尽くされ、ごった返す。
インドネシア語で春節は「イムレック」。インドネシアに居住する華人にとっては、1年で最大の行事の一つだ。
世界最大のイスラム国家、インドネシアは、国民の9割がイスラム教徒。しかし、2月5日の春節は、国民の祝祭日で、華人の新年をともに祝う。
スハルト政権下の20年前までは、中国文化の表現が禁止されていた。
しかし、民主化に伴い自由化され、「寛容なイスラム国家」のイスラム教徒の従業員が真っ赤なチャイナドレスで、「恭喜発財!」と春節商戦最前線で活気を呼ぶ光景が普通に見られるようになった。
今では、チャイナタウンだけでなく、大型のショッピングモールなどで、春節を前に赤い派手な提灯などが飾られ、店内は「真っ赤」に染まる。
日本では知られていないが、イスラム圏のインドネシアは、中国圏以外では世界で最大数の華人を抱える世界有数の“華人国家”だ。
昨年、中国の人気ポータルサイト「今日頭条」が華人系(現地国籍取得)が多い国家のトップ10を発表。