(佐藤 けんいち:著述家・経営コンサルタント、ケン・マネジメント代表)

 新年あけましておめでとうございます。旧年中はたいへんお世話になりました。2019年もよろしくお願いします。

 さて、本日は元旦。「一年の計は元旦にあり」とも言われますように、今年一年の基本方針を立てるのは、一年の最初の日である元旦こそふさわしいですよね。

 しかも、今年の元旦は平成最後の元旦。なんでもかんでも「平成最後の」という枕詞をつけるのはいかがなものかという気がしないでもありませんが、元号が変わるというのは一つの大きな節目であり、日本というものを意識するよい機会ともなることは間違いありません。

 そこで今年の目標として提案したいのが「丸暗記のすすめ」です。その対象は「百人一首」。とはいえ、正月早々から難しい話をするつもりはありません。気楽にいきましょう。

かるた取りは激しいスポーツ

「お正月には 凧あげて こまを回して 遊びましょう」なんて歌を子どもの頃には歌った記憶があるかもしれませんが、「かるた」を忘れてはいけませんか? かるたには様々な種類がありますが、ここでは「百人一首」を取り上げます。ご存じのように、絵札に書かれた和歌を読み上げるのを聞いて、対面する2人の競技者が、下の句が書かれた文字札を先取するカードゲームのことです。そもそもカルタとはポルトガル語でカードの意味。ドイツ語ならカルテ。

 戦前と比較すると、お正月にかるた取りをする家庭は全般的に減ったかもしれませんが、一方ではアニメ化も映画化もされている大人気マンガ『ちはやふる』(末次由紀、講談社、2008年~現在。最新刊は40巻)の影響もあって、学校関係者や若い人たちの間でかるた人気が復活しているという話も聞いています。

「ちはやふる」とは「神代」にかかる枕詞で、百人一首に収録されている在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)の「ちはやぶる 神代もきかず 龍田川 から紅(くれなゐ)に 水くくるとは」からきています。ご存じでしたか?

「百人一首」より「ちはやふる・・」(筆者撮影)