2011年2月11日午後9時に新宿駅で若い男3人組が殺傷事件を起こすという犯罪予告が、2月6日にインターネット掲示板「2ちゃんねる」に書き込まれた。犯行予告時刻の直前には新宿駅に厳戒態勢が敷かれ、多くの野次馬も詰めかけた。
幸い何も起こらず、警視庁はこの書き込みをしたと疑われる横浜市の中学3年男子生徒を威力業務妨害容疑で逮捕。犯行予告時刻より前に身柄を確保されていたという。
「どのくらい騒がれるのか見てみたかった」と供述する少年。その目論見はある程度成功した。犯人が捕まるまで一般の報道機関は自粛して一部のネットメディアが報じたにとどまったにもかかわらず、情報はほぼツイッターやミクシィだけで瞬く間に広がっていった。
ツイッター上では「犯人逮捕」に関わる未確認情報がずいぶん飛び交った。しかし受け取る側は思いのほか冷静で、そのまま真に受ける人もそれほど多くなかったように映る。
象徴的だったのが、「ガセじゃないの? 新聞のサイトか何かに載ってる?」という僕のフォロワーのツイートだ。
「ツイッターやフェイスブックがあれば、新聞など既存マスコミは要らなくなる」などとうそぶく人々がいる一方、結局みんなどこかで報道機関を頼りにしている。
もしかしたら、日本のツイッターユーザーの中ではあの日の反省が生きているのかもしれない。
利用者の意識を変えた?「原宿」騒動
それは2010年3月26日のことだった。
その日の午後、原宿の竹下通りに芸能人がいるという噂がネットを通じて瞬く間に広がり、これに反応したファンが殺到して怪我人が出るという事態に至った。
竹下通りに芸能人がいるというガセネタはツイッターを通じて拡散し、わずか数十分のうちに携帯電話や口コミで相当な範囲にまで広まったというのである。僕もちょうどその時間帯にツイッターでその情報を検知していた。