傷だらけでゆがんだ車体を何とか修理しようとする。傷をサンディングして、消そうとするが、箇所が多すぎる。

 車体のゆがみも直そうとするが、溶接してしまった後では、気休め程度の修正しかできない。車体のゆがみを無理やり修正しようとすることや、部品の扱いが悪いことで、あっちこっちにデコボコが見られる。

 自動車にように大量生産しているものは、一定時間内に作らなければ、次のものが流れてくる。一定時間内に一定の量を作っていかなければ、コストがどんどん高くなってしまう。

 そのため、様々な不良を抱えつつも直し切れないまま流してしまう場合も多い。

 もっとも、それでもさすがにひどすぎる場合は、時間をかけて修正することになるが、そうした車がラインの流れを妨げ、あっちこっちで車が滞留している。

 修正があまりにも多いためやり切れていない作業が発生しているが、そもそも作業者間の仕事の配分のバランスが悪い。忙しい作業者は忙し過ぎてこなし切れない。

 それが遅れの原因になる。一方、ヒマな作業者はヒマである。さらに、ラインが止まったり、次の車体がなかなかやってこなかったりするので、手持無沙汰になる作業者も多い。

 こなしきれなくて遅れればコストアップになるし、作業者の手が空いている時間も人件費は発生する。こうしたことがコストアップに繋がっていく。

 また、不良の修正を方々で行っているが、こうした作業によるコストも本来は不要なものである。

 このゆがんだ車体は、デコボコになっている部分の修正が間に合わないまま、さらに、傷を消すためのサンディングの鉄粉や、その前から付いていた異物などを抱え込んだまま塗装される。