ライメックス製品の原料となる石灰石と、それをもとに製造された名刺

 どのような事業であれ、いずれは成熟化するため、単一事業に依存するのはリスキーということから多角化戦略を採る企業は多い。

 しかし、それにしても、求人情報提供の大手企業が、世界最先端のエコロジー商品の販売事業に進出し、米国に子会社を設立したというニュースは多くの人にとって意表を突くものであったに違いない。

 その背景と狙いは何なのか? そもそもどういう特色・方向性をもった企業なのか? 社長に話を伺った。

リーマン・ショックから学んだ“業界の危うさ”

 その社長とは冨田英揮氏(52)。アルバイト求人情報サイト「バイトル」や、社員・派遣・パートの求人情報サイト「はたらこねっと」などを展開するディップ(東京都港区)の創業経営者である。1997年創業の同社は、今や年商380億6200万円、従業員数1980人、首都圏を中心に全国33拠点を有する東証一部上場企業だ。

 2000年に求人広告業界初となるインターネットを通じた情報提供を開始(=はたらこねっと)。2010年には「バイトル」においてアルバイト先を動画で紹介する業界初のサービスを開始。2018年には、応募機会の増加と採用後のミスマッチ減少を図るべく、これまた業界初となる「しごと体験・職場見学」サービスを始めるなど、“業界初”のサービスを次々に打ち出して成長を遂げてきた。

ディップの冨田英揮社長