オープンイノベーションを加速させる取り組みの1つに、「ジョイントベンチャー」というものがある。もともとは建設業界で用いられていた用語であり方式だったが、最近では業種問わず様々な企業によってジョイントベンチャーが行われている。

 コストを削減しつつ大きな成果を狙えるというジョイントベンチャーとはどんな取り組みなのか、ポイントを押さえておこう。

ジョイントベンチャーとは

「ジョイントベンチャー(Joint Venture、JV)」とは、複数の企業が共同してある1つの事業に取り組む方式のことで、その事業または組織を指すこともある。「共同企業体」「合弁事業」とも言い、合弁会社を設立する場合も。なお、様々な事業分野における協力関係の基礎を作る「企業提携」(業務提携、アライアンス)とは異なり、ジョイントベンチャーで設立される合弁会社では、事業目的は1つに限定されることが多い。

図1:ジョイントベンチャーとアライアンス

 ジョイントベンチャーのメリットは、お互いに不足している技術やノウハウを補完し合い、他社のブランド力や顧客基盤を活用できること。自社の強みを伸ばすことに集中できるため、自社のみで新規事業を立ち上げる場合に比べて、飛躍的な成果を期待できる。

 また、買収・合併(M&A)と提携(アライアンス)の中間に位置する形態と言えるため、双方の「良いところ取り」を期待できる。買収や合併時ほど企業間の摩擦を気にする必要がないことに加え、ある程度のコストを伴うことにより単なる業務提携よりも高い成果を期待できる。

 デメリットは主に、共同する相手がいる分だけリスクの管理やコントロールがし辛い部分があることが挙げられる。