マンダレーを拠点に農村市場に中国の製品がばらまかれる一方、中国人経営のマンダレー市内の縫製工場では、「中国製」のタグを付け香港経由で欧米に輸出しているという。

 生産現場を見れば一目瞭然だが、部材から機械設備まで、中国製品に支配されているというのが現状だ。

 こうして、中国製品が溢れ、中国人が増えた結果、マンダレーの不動産価格は高騰。

 オーストラリアやニュージーランドなどの諸外国でも社会問題化しているが、中国人による投機で、マンダレー市民は地元故郷に住めなくなり、故郷を追いやられている悲惨な状況が続いている。

 その結果、かつてのビルマの伝統的な歴史的文化都市を標榜してきたマンダレーは、古き良き伝統を失いつつある。

 大陸・中国からの大量移民が、ミャンマーの伝統文化、歴史的価値観を軽視し、中国の文化、伝統を押し付ける事態に発展しているからだ。

 今では、毎朝、旧王宮の美しい壮大な堀のある街の中心部で、太極拳の練習をする中国人が大挙し、大音量の中国の音楽が鳴り響く。天空のミンドン王におかれては、さぞかしお悩みのことだろうとお察しする。

 結局、古の王都は、現在人口120万人ほどだが、その半数以上に相当する約60万から70万人(中国人。http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/ir/college/bulletin/e-vol1/1-3shee.pdf=プーン・キム・シー立命館大学客員教授著「中国とミャンマーの政治経済関係」)が占拠する「中国の植民地化」となってしまったのだ。

 ミャンマーの法律では、外国人は土地の所有ができない。

 しかし、中国の雲南省との国境沿いで入国管理の役人に賄賂を渡し、偽造文書を作成し、違法な手段でミャンマーの国民証明書を入手する「異邦(違法)ミャンマー人」が急増。