東京五輪が開催される2020年には、ネットにつながるデバイスが500億個を超え、世界を1兆個のセンサが覆い尽すと言われている(図1)。そして、これらネットデバイスやセンサのデータを世界中のデータセンタのサーバーにストレージし、このビッグデータを基に、ディープラーニング機能を持った人工知能(AI)が未来を予測して、その結果を、ビジネスはもちろん、スポーツや文化的な生活に役立てる時代がやってきた。
(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図表をご覧いただけます。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54012)
しかし、このようなビッグデータの世界を構築するためには、とてつもない数の半導体を製造しなくてはならない。そして、製造した半導体は、例えばデータセンタのサーバーに搭載され、膨大な電力を消費する。要するに、半導体を製造するのにも、その半導体を使うのにも、とんでもない電力量が必要になるのだ。
今回は、本格的なIoT時代、ビッグデータ時代を迎えるあたり懸念される電力不足問題を取り上げたい。
まず、2016年に碁の世界チャンピオン李世ドルを、グーグルの人工知能(AI)「アルファ碁」が破ったが、そのアルファ碁がどのようなシステムで、どれほどの電力を必要としていたかを明らかにする。次に、2020年に製造される半導体の個数を予測し、その製造に使われる電力量の概算を行う。さらに、2020年に人類が生み出すビッグデータをストレージするデータセンタに、どれだけの電力量が必要になるかを予測する。