米国の市場調査会社ガートナーによると、今年(2018年)4~6月期におけるパソコンの世界出荷台数は6210万台となり(速報値)、1年前の同じ時期の出荷台数を上回った。
伸び率、わずか1%程度
パソコンの年間出荷台数は、2011年まで右肩上がりで推移していたが、同年をピークに減少に転じ、昨年で6年連続前年割れとなった。また四半期ベースで見ると、2012年1~3月期にいったんプラス成長したものの、それ以降はいずれも前年割れ。パソコン市場はここに来て、6年ぶりにプラスに転じた。
ガートナーは、その要因として、アジア太平洋地域や、EMEA(欧州、中東、アフリカ)といった世界のすべての地域で、1年前に比べて出荷台数が伸びたことを挙げている。
ただし、状況を詳しく見ると、安閑としてはいられないとガートナーは指摘する。四半期出荷台数が前年実績を上回ったと言っても、伸び率はわずか1.4%。市場が完全に回復したとは言えないという。
消費者向けは依然低迷
ガートナーの北川美佳子主席アナリストによると、この4~6月期は、法人向けパソコンへの需要が増加したが、消費者向けが引き続き落ち込んだ。消費者は日々の生活で、ソーシャルメディアを見たり、予定を確認したり、銀行のネットサービスを利用したり、ネットショッピングをしたりしているが、これらをすべてスマートフォンで行っており、パソコン利用の頻度が減っている。