英国のメディアサービス企業、ゼニスメディアによると、全世界のインターネット広告費は、昨年(2017年)、初めてテレビの広告費を上回った。
20年続いたトップの座、ネットに明け渡す
テレビは、1996年に新聞広告を抜いたあと、一昨年まで最大の広告媒体であり続けた。だが、ついにインターネット広告が、これに取って代わった。
昨年の全広告費に占めるテレビ広告費の割合は、34.1%だった。これに対し、新聞広告(9.5%)、屋外広告(6.7%)、ラジオ広告(6.2%)、雑誌広告(5.2%)、シネマ広告(0.7%)は、いずれも1桁台。
こうした中、インターネット広告費は37.6%に拡大。ネット広告は今後も伸び続け、2020年には44.6%を占めるまでになる。一方、テレビ広告は、31.2%へと低下すると、ゼニスメディアは見ている。
モバイル広告が市場を牽引
ネット広告を種類別に見ると、最も金額が多いのはディスプレー広告。これには従来のバナー広告のほか、動画広告、ソーシャルメディア広告が含まれる。その昨年1年間の金額は、986億ドル。これに検索広告が864億ドルで次いでいる。
また、ネット広告費を、利用端末の種類別で見ると、パソコンの全広告費に占める割合が17.8%だったのに対し、モバイル(スマートフォンやタブレット)は、それを上回る19.8%だった。