マッキンゼー・グローバル・インスティテュート(MGI)がアジア太平洋7カ国の女性の地位を調査したレポート『平等がもたらすパワー(The Power of parity: Advancing women’s equality in Asia Pacific)』の日本の項で指摘したのは、女性ビジネスリーダーの割合が世界レベルで見てずば抜けて低いという点だった。
前編(http://jbpress.ismedia.jp/articles/53341)では、ビジネスシーンにおける男女の差は大学教育の段階ですでに始まっているというレポート内容について、著者でMGIのパートナー、アヌ・マドガブカー氏(Anu Madgavkar)氏に話を聞いた。
しかし、日本のビジネスシーンも変化している。昨今の産業界で存在感を増しているベンチャー企業やIT企業においても、この考え方は当てはまるのだろうか?
「確かに、技術革新によって、男女間の平等を阻害する障壁は取り除かれてきています」と話すマドガブカー氏。
「例えば、技術系の分野やベンチャー企業に目を向けると、中国やインドネシアでは、技術系の企業を興した女性起業家が増えてきていますし、そういった女性起業家によって作られたプラットフォームも多く現れています。eコマース/起業の分野では、女性起業家の割合は40%を超えるとも言われています。中国では、女性が立ち上げた技術系の企業の中には10億ドルレベルの規模のものもありますし、女性役員が参画している技術系の企業もかなりの割合に上ります。こうした意味で、技術は、金融の壁なども含め、これまで存在していた壁を取り除いたといえます」