冗談みたいな名前ですね。これだって確かに量子力学的な存在ですが、こんなものが来ても私たちマクロの世界に生きる人間は全く目で見ることができません。
これよりさらに長い周波数の光は「短い波(short wave)」と呼ばれます。このあたりまでくると、お気づきにならないでしょうか?
「短波ラジオ」などという言葉があると思います。波長が100メートル以下の光は、地上の適切な「放送局」から発信すると、上空の電離層にぶつかって反射するため、適切な中継局を経由すれば、地球上のあらゆる地点と通信することができる。
つまりかつて全盛を極めて科学少年を育てた「アマチュア無線」はこの波長の光を使っているわけです。
余談ながら、現在東京大学の総長を務める五神眞さんはレーザーの物理を世界的に牽引する第一線の研究者ですが、高校時代はアマチュア無線に熱中する少年でした。
「短波」があれば「長波」もあるでしょう。LF(Long wave とかLow Frequency)などと言われますが、これは一般にラジオ波と呼ばれ、その名の通りラジオの送受信に用いられます。
30~300kHz、すなわち1~10キロメートルほどの「長い波長」を持つ光で、これだって光ですから、当然ながら量子力学の法則に従う振る舞いを見せます。
さらに1桁長い波、つまり、低い周波数の光は「とっても低い周波数、VLF(very low frequency)」と呼ばれます。
3~30kHz、つまり秒速3000―3万回転の発振と聞けば、人間にとっては十分に速い振動だと分かります。
ちなみに3kHzというのは、空気中を伝わる音波であればピアノの最高音域のソの音として、人の耳でも聞こえるほど、つまり音波なみにゆっくり振動する光ということになる。