トランプ氏、著名投資家アイカーン氏を顧問に起用へ 規制改革担当

米ゼロックスに出資している米著名投資家のカール・アイカーン氏(2015年11月3日撮影)。(c)AFP/GETTY IMAGES/Neilson Barnard〔AFPBB News

 富士フイルムによる米ゼロックスの買収が白紙に戻る可能性が高まってきた。筆者は買収が発表された当初から、ゼロックスの株主が納得しない可能性について指摘してきたが、その懸念が現実のものとなってしまった。当たり前の話だが、当事者全員が利益を得られるスキームにしなければ、M&A(合併・買収)はうまくいかない。

ゼロックス事業のすべてを手に入れるはずだった

 米事務機器大手ゼロックスは2018年5月13日、富士フイルムホールディングス(以下、富士フイルム)による買収合意を破棄すると発表した。富士フイルムによるゼロックスの買収については、ゼロックスの既存株主が差し止めを求めて裁判所に提訴しており、富士フイルム側も上訴するなど、状況が混沌としていた。

 今回の発表を受けて富士フイルム側は損害賠償請求も含めて適切な手段を取るとしているが、買収を軸にした同社の事業戦略が大幅な見直しを迫られるのは間違いない。

 富士フイルムがゼロックスの買収を発表したのは今年(2018年)1月のことだった。富士フイルムは、ゼロックスの株式50.1%を取得し、子会社である富士ゼロックスと経営統合するというスキームである。