米軍のシリア空爆でロシア人死亡か、米国防長官「調査で明らかにする」

ベルギー・ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部で記者会見するジェームズ・マティス米国防長官(2018年2月15日撮影、資料写真)。(c)AFP/JOHN THYS〔AFPBB News

 トランプ政権は、2018年の1月下旬に公表した「国防戦略 2018(NDS-2018)」において、「大国間角逐(かくちく:互いに争うこと)」こそがアメリカ国防にとって最大の脅威であるという、国際軍事環境に対する現状認識を示した。

「大国間角逐」という現状認識

 マティス国防長官は「NDS-2018」に関連して、「アメリカ軍は世界規模での対テロ戦争に打ち勝つための努力を継続していくものの、アメリカの国防が最も重視しなければならないのは『対テロ戦争』ではなく『大国間角逐』である」と明言している。

 すなわち、トランプ政権下におけるアメリカ国防戦略の基本方針は、大国間角逐、つまり「軍事大国の間における強度な競合」という軍事環境に突入したという現状認識を大前提にして、そのような大国間角逐に打ち勝つことによってアメリカの国益を維持する、というのである。米国にとっての大国間角逐とは、具体的には「中国の軍事力、そしてやがてはロシアの軍事力、との熾烈な競合」を指す。

 米国の安全保障関係者たちの間では、このように大転換した国防戦略の基本方針を実施するためには具体的にどうすれば良いのか? といった議論が活発になってきている。とりえわけ、これまで対テロ戦争にプライオリティーが与えられていたため、力を押さえつけられてきた「中国封じ込め派」の人々の多くは、NDS-2018で表明された軍事環境認識に賛同するとともに、国防戦略の基本方針を実施していくための戦略案や具体的方策案などを提示し始めている。