・中国とロシアは自国の影響力を国際的に広げ、米国の国際的な影響力を減らそうと意図している。そのために、米国の同盟国や友好国の米国に対する不信をあおり、対米政策を変えさせようと企図している。
・中国とロシアはこの野望の実現のために軍事力を含むあらゆるパワーを使い、国際社会の年来の体制と安定を崩し、国際秩序を侵食しようとしている。特に安全保障面における従来の米国主導の同盟関係を崩して、新たなパワーブロックを結成しようと図っている。
・中国は、防御能力の高い地上移動用と地下サイロ格納用の戦略核ミサイルを大幅に増強している。中国軍は、核弾道ミサイル搭載の潜水艦JL2の開発を進めながら、同様の核ミサイルを装備する原子力潜水艦JIN級の追加建設も急いでいる。これらの動きによって核戦力面での米国への脅威が高まる。
米国を脅かす北朝鮮の弾道ミサイル
一方、切迫した脅威である北朝鮮の動向については、以下のように指摘した。
・2018年、北朝鮮は、米国にとって最も予測困難で敵対性の高い大量破壊兵器の脅威を突きつけている。イランやシリアへの弾道ミサイル技術の輸出、シリアの核施設への支援といった北朝鮮のこれまでの行動は、大量破壊兵器を国際的に拡散し、危険を広げる国家の本質を証明している。
・北朝鮮は2017年だけでも、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含む弾道ミサイルの実験発射を頻繁に断行した。特に米国への直接の脅威となる核弾頭搭載の長距離弾道ミサイルの開発を宣言する一方、第6回目の核実験を実行し、米国への直接的な軍事攻撃能力を誇示している。