1. 一笑に付されたクレムリンリストだが・・・
「クレムリンの電話帳」
「ロシア版フォーブスリスト(長者番付)のコピー」
「絨毯爆撃」
「このリストに入らなかった人は悔しがるだろう」
「自分は入っていなかった。残念だ」
これらはすべて先月1月29日に公表された米国財務省による「ロシアの財閥と政府系機関に関する報告書(公開版)」、いわゆるクレムリンリストに対するメディアあるいはロシア政府高官の評価である。
評価の多くは「大山鳴動して鼠一匹」的ニュアンスが満載で、現在の米国内政の混迷に絡めて、これらを一笑に付すようなものであった。
このリストが公表された時、筆者はちょうどあるロシア政府関係者と会っていた。筆者はスマホを見ながら「ペスコフ報道官も入っていますよ」などとこのロシア政府関係者に伝えたものの、あまり関心がない様子で、こちらが拍子抜けしたほどであった。
ただし、メディアやロシア政府関係者がこのような評価を下しているからといって、クレムリンリストを侮るべきではない、というのが筆者の見解である。
先日、旧ソ連地域を主戦場とするビジネスパーソンとの会合に参加したが、参加者からは「クレムリンリストに提携先企業の幹部が掲載され、ビジネスが止まりつつある」といった旨の発言が複数寄せられた。
賢人として知られるクドリン元財務大臣も同様の発言をしている。