京都大学は1月22日、相当の苦渋だったと察しがつきますが、iPS細胞研究所での研究不正を発表しました。
山中伸弥所長の進退問題にも発展しかねず、「辞めないで」というファン的な声もネット上で早々と目にしました。
再生医療は全く専門外の私は、この報道があるまで(捏造であるとはいえ)その論文が主張する内容が公刊されていたことを知りませんでした。何と、その論文には
iPS細胞で「血液脳関門」を体外に作り出した・・・
という内容が記されているというのです。これは、再生医療だゲノミクスだといったローカルなお話ではなく、凄まじい大業績です。
もし本当にそのような仕事が成立していたら、それこそ(iPS科学の次世代ノーベル賞候補の有力な1つとして)物凄いサイエンス全体の進展であることが、見る人とが見れば一目瞭然です。
どこかのSLAPだかSLIPだか忘れましたが、おかしな捏造事件(STAP細胞=編集部注)とは比較すらできない、サイエンスに大きな一歩を記す仕事になるはずでした。
と言うよりも、そういう大目標を立てて、研究に勤しんでいたというのがより正確なところでしょう。
そこで今回は、サイエンスで大きなヤマを狙う戦略と、現実の厳しい大学・研究所事情、そこでこのような「ポスト・トゥルース化」が絶対に起こさないためのアウトラインを記してみたいと思います。