2018年は思いのほか平穏な年になりそうだ。良好な米国経済を背景に、日本の景気は堅調に推移するだろう。輸出産業を中心に株価も上昇トレンドが継続となる可能性が高い。
問題は2019年以降である。消費増税、所得増税と増税プランが目白押しとなっており、消費にとってはマイナス要素が多い。しかも世界景気の循環は2019年頃にピークアウトする可能性が高く、日銀が2018年中に量的緩和策の見直しに動くことも十分に考えられる。
基本的には楽観的なスタンスで大丈夫だが、市場は常に現状の先を行くものである。場合によっては2019年以降の経済を折り込む形で、2018年中に相場が崩れ始める可能性もある。過度な楽観は禁物だろう。
好景気でも実感できない人が多い
2018年の景気を見通すためには、まず現状について整理しておく必要がある。
四半期ごとのGDP(国内総生産)成長率が7期連続でプラスを記録するなど、このところ「景気が良くなっている」との声が高まっている。一方で、皮膚感覚として景気の拡大を実感できないという人も多い。