農業で高い収入を確保し、さらに大規模化を進めて収入を増やす――。まさに大規模農業における成功体験の真っ只中にあると言っていい。
普通なら、「このまま突っ走って何が悪い」と思いがちだ。もちろんそういう農家も多いに違いない。しかし、更別村では「ちょっと待てよ」と、自らを客観的に見られる余裕があった。
「このまま大規模化を進めるだけで生き残れるのか」
更別村の将来を憂う一部の人たちが集まり、様々なアイデアを出し合った結果、出てきた1つの方法が「熱中小学校」の誘致だった。身についた成功体験を“否定”するにはどうしても意識改革が必要となる。
そのために世界を見て己を見直す必要があると考えたのだ。
(つづく)