1年を締めくくるはずの日本の相撲界の九州場所は、場外で“大乱闘”が続いている――。
横綱・日馬富士の幕内・貴ノ岩に対する暴行問題だが、事件発生から1か月が経とうとするが、深層はいまだ闇に包まれたままだ。
それどころか、加害者の日馬富士周辺と被害者の貴ノ岩周辺の証言に、様々な食い違いが表面化。事件を取調べ・検証する鳥取県警は、年内にも日馬富士を書類送検すると見られるが、事件の焦点は、貴ノ岩の親方、貴乃花や相撲協会の対応や動向に絞られてきた。
貴乃花のつぶやきに動揺する力士
「横綱や大関が稽古している時間、土俵に顔も出さずに支度部屋で寝ている関取衆がいることに『稽古もしないのによく本場所で勝てるな』と、貴乃花巡業部長が感心しています」
昨年、岡山県倉敷市で行われた大相撲の秋巡業で、三役以下の力士の支度部屋前に、“貴乃花のつぶやき”のような異例の注意事項が張り出され(玉の井巡業副部長=元大関・栃東の名前で)、力士らは当惑した。
日本角界の幕内力士42人のうち、半数以上を占める最大勢力にまで伸し上がったモンゴル出身の力士たち。中でも一番に反応したのは横綱の日馬富士だった。
「強くなりたいという自覚があればいいこと。それをいちいち、紙に書かれないといけないなんて」
若手力士の養成を担う横綱としての責務からか、あるいは「稽古もしないのによく本場所で勝てるな」と言われ、その貴乃花の“真意”に反発を抱いたからか、このような反応を示した。
「貴乃花が白鵬や日馬富士など一部のモンゴル大物力士を毛嫌いしている」(角界関係者)と言われる一方、“八百長の噂”が絶えない日本の相撲界。現役時代からガチンコで理事である今も、協会の腐敗体質を批判してきた貴乃花。