第4次産業革命の波が物流業界にも押し寄せている(写真はイメージ)

 今、世界は第4次産業革命の只中にある。“蒸気”が人の単純労働を代替した第1次産業革命、“電気”が大量生産を可能にした第2次産業革命、“コンピュータとICT”が生産を自動化・効率化した第3次産業革命を経て、4度目の産業・社会の大変革期だ。

 第4次産業革命を構成する変化は大きく3つある。第1に、IoTの進展により、インターネットに流通するデジタルデータが飛躍的に増大している。第2に、大量のデジタルデータを安価に蓄積する基盤(クラウド)の普及により、データの流通・蓄積コストが劇的に下がっている。最後に、AIのディープラーニングによる分析を活用した自動化の進化により、蓄積したビッグデータに関する学習と思考、判断の領域がいよいよ人から機械に代替されようとしている。

 そして、この第4次産業革命の波が、スマートデバイスの開発競争を繰り広げる製造業界、フィンテックを進化させる金融業界、オムニチャネル化とデータマーケティングの高度化に挑む流通業界に押し寄せ、さらには物流業界にも達しようとしている。

【1】“モノを運ぶ”という価値の陳腐化

(1)商品サービスのサプライチェーンマネジメントが進化

 かつて、サプライチェーンの調達・生産・販売のプロセスが分断されていた時代には、物流は大量生産されたモノを、決められた期限内に、定められた場所へ、事故なく届けることが価値であった。

 ところが、1990年代後半よりサプライチェーンマネジメント(SCM)の概念が広がり、業務プロセス間の、または企業間の壁を越えた情報共有に基づく供給の流れの最適化が進んだ。物流は、顧客の需要情報(データ)に基づき、必要なモノを必要なときに必要なだけ運ぶことが求められるようになったのだ。

 この動きを、第4次産業革命のデジタル化が加速させている。企業のグローバル化で複雑化するSCMにおいて、顧客の発注から納品まで、いかにデータでモノの動きを管理し効率化できるかが、個別製品サービスの競争力に直結する。データに基づき、モノの動きを極小化する流れが顕著になっているのだ。

サプライチェーンマネジメント導入によるモノの動きの変化