ワコン(和歌山県紀の川市)本社の外観

 ヤマト運輸とアマゾンの問題に端を発した日本の物流をめぐる議論は、安倍政権の「働き方改革」と呼応し、一部サービスの廃止などエンドユーザーがやや割を食う形で解決が図られているように見える。しかし、こうした動きに異を唱える人物がいる。

「人が足りないのではなく、物流の効率が悪過ぎるだけ! それを改善すればドライバーは足りる」

 そう語るのは、物流機器の開発・製造・販売を手掛けるワコン株式会社代表取締役・西田耕平氏(52)である。

 ワコンは、1951年創業で、資本金は1000万円、年商19億5000万円。従業員数は108人で、正社員7割(9割が男性)、パート3割(女性)。部門別では、製造7割、営業2割、スタッフ1割という内訳だ。

 和歌山県紀の川市に本社を置き、県内に3工場を展開するほか、関西国際空港ならびに成田国際空港に専用の梱包施設を有する。売上構造は、(段ボール・木箱などの)一般物流機器が55%、(プラスチックの)クリーン物流機器10%、(冷凍・冷蔵など一定温度を維持する)定温物流機器30%、その他5%。

 BtoBを基本とし、顧客は、物流企業はもとより、化学・製薬メーカー、食品・小売・スーパーなど多岐にわたる。