米国は依然、インターネット広告市場の規模が最も大きい国だ。米eマーケターの推計によると、今年の同国におけるインターネット広告売上高は、800億ドル(約9兆円)を超え、中国の1.7倍、日本の7.5倍という規模になる見通しだ。
グーグルとフェイスブックで6割を占有
そうした中、eマーケターは先ごろ公表した最新リポートで、同国における米グーグルと米フェイスブックのネット広告売上高が、今年さらに増加し、この市場で複占状態が進むと予測している。
昨年(2016年)における、グーグル(傘下のユーチューブを含む)の米国ネット広告売上高は、294億3000万ドルと、業界トップ。これにフェイスブック(傘下のインスタグラムを含む)が、123億7000万ドルで次いだ。そして両社を合わせた売上高のシェアは58.4%だった。
今年は、グーグルの売上高が350億ドル、フェイスブックが173億7000万ドルとなり、その合計シェアは63.1%にまで拡大するとeマーケターは見ている。
グーグルは検索サービスを通じて、ユーザーとの関連性が高い情報を把握している。フェイスブックも、SNSを通じてユーザーの関心事などの情報を収集している。両社は、これらのデータを使い、一人ひとりに最適な広告を表示しているという。
一方、広告主の、こうしたターゲット広告における、精度向上に対する要求は、ますます高まっている。グーグルとフェイスブックは、それらの要求に適切に応えることのできる広告配信業者として、業界トップの座に君臨しているとeマーケターは分析している。