日本国内では北朝鮮問題が論じられながら、肝心の国会は解散総選挙という報を目にしながら、アムステルダムで仕事をしています。オランダでは9月24日に投票があったドイツ総選挙での右旋回が憂慮されています。
ドイツ国内では、ベルリンでもミュンヘンでも、善し悪しは別としてドイツも日本も右傾化や軍備増強の可能性が高いなどといった話がわりに気軽に出てきましたが、オランダではトンでもないというのが基調になっている。歴史のなせる業でしょう。
ドイツの総選挙ではアンゲラ・メルケル氏率いるCDUキリスト教民主同盟は辛くも与党の座をキープしましたが、従来の社会党SPDとの連立は解消され、新たな政権構成への折衝が進められています。
これは、ネオナチ的な思想を持つ候補を含む極右政党「ドイツの選択」AfDがいきなり第3党として70人を超える代議士を連邦議会に送り込むこととなりました。SPDが連立に入ってしまうと極右新政党がいきなり野党第一党となり、1933年の悪夢を想起させかねないという危機感によるもの、とも言われます。
1950年代以来「戦後冷戦期」、1990年以降の「冷戦後」そして2000年以降のEU通貨統合後のマーストリヒト体制が昨年の英国EU離脱で本格的に綻び始めました。
今回のドイツでの右翼躍進は一過性の事故というより構造的な危険を持ったものとして認識されています。「フィリピンや日本でも同様では?」と問われるのが「配分の不公正」です。
行き過ぎたネオリベ(ラリズム)の悪影響、動かない衆愚議会・・・。
様々な兆候が90年前のファシズム前夜を思わせ、言われてみれば血盟団事件だ浜口雄幸襲撃だというのもテロと言えばテロであり、くれぐれも歴史の示す愚行を繰り返さぬようにと祈らないわけには行きません。
アムステルダムでは「北朝鮮の敵は米韓で日本は関係ないのでは?」とも繰り返し指摘され、その都度一定の説明をせざるを得ませんでした。