大学の仕事でドイツ・ミュンヘンに来ています。たまたま先方の予定に合わせただけなのですが、時期が「オクトーバーフェスト」と重なったため、仕事のパートナー、ミュンヘン工科大学のクリストフ・リュトゲ教授に「ホンマもの」のオクトーバーフェストを案内してもらいました。
最初にクリストフから言われたのが、「手荷物は持ち込めないんだよ・・」というポイント。直ちに了解し、荷物を彼の助手に預け、デジカメ1つの手ぶらで、会場であるテレージエンヴィーゼ(テレーゼ緑地)を目指しました。
言うまでもありませんが、凶器、とりわけ銃の乱射や自爆テロを警戒しているのです。
実際、ビール醸造所のあらゆるテントの入り口では、女性の小さなポーチまで中身を改められていました。2020年の東京オリンピック、果たしてこの程度まで徹底した安全管理ができるでしょうか。
オクトーバーフェストでは、爆弾事件で犠牲者が出た歴史があるのです。
オクトーバーフェストとは
細かい話に入る前に、「オクトーバーフェスト」の概略に触れておきましょう。
オクトーバーと名がついていますが、10月は寒くなるので毎年9月半ばの土曜日から10月の第1日曜日まで、標準的には2週間と2日で16日間、ただし10月3日がドイツ統一の祝日のため、場合によると最大18日間開かれる「秋まつり(オクトーバーフェスティバル)」と思って大きく外れません。
毎年約600万人の人出があるそうで、平日でも1日30万人(秩父の夜祭と同じ規模)程度、土日ともなれば50万~60万人の人が集まる、国民的と言うよりいまや全ヨーロッパ的な行事となっています。
もともとは1810年の10月、バイエルン皇太子ルートヴィヒとザクセン皇女テレーズの結婚式をこの場所で挙げるとともに、祝祭として大規模な競馬が行われ、それ以降お祭りが恒例となったものだそうです。