『ライフ・シフト』(リンダ・グラットン著/東洋経済新報社)が人気を集めています。本書は寿命が100年時代になると説いたもので、80歳程度の平均寿命を前提に「教育」「仕事」「引退」の3段階で考えられてきたライフコースは抜本的に見直す必要があるといいます。
日本人の平均寿命は厚生労働省の7月27日発表の調査によると、2016年の段階で女性87.14歳、男性80.98歳。過去最高を更新しました。同省によると、2016年生まれの平均寿命は、女性で5.74歳、男性で6.95歳延びるとも推定しています。つまり、今後も平均寿命は延び続けていくというわけです。
いま、仕事をしたり生活をしたりしている私たちの平均寿命も延びている上に、医療などの進歩が進めば、多くの人が100歳を迎えるということもありえそうです。
日本は高齢者が増加傾向
世界的に先進諸国が長寿化となっていくなか、高齢者が増加傾向なのが日本です。総務省統計局によると、65歳以上の高齢者人口の割合は1950年(昭和25年)には4.9%となっていましたが、1955年(昭和30年)には5.3%と増加し、2016年(平成28年)9月15日現在の推計では、65歳以上の高齢者人口は3461万人で、総人口に占める割合は27.3%となっています。
「日本人が本当に考えないといけない2022年問題」でも書いた通り、日本で最も人口の多いいわゆる「団塊の世代」も高齢者。そして2022年ごろには後期高齢者となります。