10月18日開催の第19回党大会まで1カ月を切った。しかし、現在確実に言えるのは習近平主席の総書記再任くらいであり、数多くの流動的要素がある。
流動的な部分は、それが今後の習近平体制に大きく影響するものであり、それを現段階で決めきれていないのは習近平主席の権力の限界を露呈するものでもある。だからこそ、着目する必要がある。いくつかその例をあげよう。
第19回党大会で注目すべき4つのポイント
(1)「習近平思想」が規約化されるか
9月に開催された政治局会議で、「重大な理論的観点と戦略的思想を党規約に盛り込まなければならない」として、習近平主席の政治理念や思想を党規約に反映させる「規約改正」を党大会で行うこととなった。だが、それがはたして「習近平思想」という名称で、「毛沢東思想」と同格の権威付けがなされるかは、いまだ不明である。常識的に考えれば、現段階で党規約に掲げられるほど「習近平思想」の名称が定着しているとは思えない。「習近平の『治国理政』重要思想」程度の表現で落ち着く可能性のほうが大きいだろう。
(2)王岐山・中央紀律検査委書記の去就
「七上八下」という政治局常務委員の68歳定年とされる内規に従えば、69歳の王岐山は退任することになる。だが、2期目も「反腐敗」を強力に推進する意向の習近平主席にとって、王岐山の存在は「余人をもって代えがたい」はずである。また、ここでこの内規を「突破」しておくことは、2022年の第20回党大会で69歳となる習近平主席の3期目続投をスムーズに運ぶための布石ともなる。
ただし、王岐山の去就についてはいまだ情報が錯綜している。これが党大会の最大の注目点と言ってもいい。