北朝鮮の核開発の動きが日を追うごとに脅威を高めている。米国政府が軍事行動の可能性を強調して圧力を強めても北朝鮮は一向に動じない。今や戦争の危機さえ語られている。
だが、このほど米国の大手研究機関が、北朝鮮に核武装を断念させるための経済制裁措置はまだいくつも残されていることを発表した。
米国の対応は手詰まりなのか
米国のトランプ政権は、北朝鮮の核兵器と長距離弾道ミサイルの開発を阻むことを当面の対外政策の最優先課題として位置づけ、軍事、非軍事の両面で具体策を進めている。北朝鮮が9月3日に6回目の核爆発実験を断行してから、そのピッチは加速した。
大統領をはじめマティス国防長官、ティラーソン国務長官、マクマスター大統領補佐官、ヘイリー国連大使など、トランプ政権の枢要人物たちが語る対北政策は多様である。だが、基本姿勢は日に日に硬化してきた。
米国は北朝鮮の核武装を絶対に許さないと言明している。一方、北朝鮮は核開発を放棄しない姿勢をみせる。米国は外交手段に始まり種々の経済制裁を試みるが、北朝鮮は核開発を止めるどころか、核弾頭を搭載できるICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発を加速させ、水爆の開発も宣言している。