「文庫X」を読んで書いた曲です。
そう書かれた手紙と共にCDが送られてきたのは、2017年4月のことだった。
さわや書店は彼女を説得し、そのCDを「文庫Xの歌」として売り出すことにした。
全国でも例がないだろう、この書店発のオリジナルCDが予想以上の売れ行きを見せ、思いもしなかった展開に進みつつある。
今回の記事では、僕たちさわや書店が、どのような経緯で、
なぜ本の表紙を隠して売ったのか
「文庫X」という企画については以下のコラムに詳しく書かせていただいたが、ざっとおさらいしておこう。
◎「大ヒット『文庫X』の仕掛人が語るアイデアの源泉」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48294
◎「この書店だからできた『文庫X』仕掛人の挑戦」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48295
2016年7月21日、その本はさわや書店フェザン店の店頭に並んだ。とある文庫本の表紙をオリジナルのカバーで覆い、タイトルも著者名も見えない状態で販売した。買う前に分かるのは、「税込810円であること」「500ページ以上であること」「小説ではないこと」の3つだけ。この謎の本は、さわや書店フェザン店の店頭に並ぶやいなやすぐに売れ始め、やがて全国650以上の書店に波及、タイトルを明かした現在も売れ続け、30万部を超えるベストセラーとなっている。