親子の接し方も、時代とともに変わるのかもしれない。

 私の在籍している博報堂生活総合研究所は、1981年の設立から現在に至るまで、「生活者発想」に基づいて生活者の行動や意識、価値観とその変化を見つめ、さまざまな研究活動を行っています。

 前回に引き続き、世の中で生じている事象に対して、研究所に蓄積された研究成果やそれらに基づく独自の視点により考察を加えてまいります。読者の皆様にとって、発想や視野を広げるひとつのきっかけ・刺激となれば幸いです。

 前回コラム「無料が当たり前! 今の子どもは『タダ・ネイティブ』」、前々回コラム「この20年で変化していた子供のお小遣いの使いみち」では、博報堂生活総合研究所が1997年から10年おきに、小学4年生から中学2年生の子どもたちを対象に実施している「子ども調査」の結果を紹介。20年間で特に変化の大きかった情報と消費の側面にフォーカスを当てて、その特徴を解説しました。

 今回コラムは、20年間で変化の大きかったもうひとつの側面である人間関係、とりわけ家族との関係に注目してお届けしようと思います。

反抗期でも家族との距離が近い子どもたち

 上述した通り、「子ども調査」の対象者は小学4年生から中学2年生。その年齢を考えれば、まさに反抗期真っただ中。親や家族に反発したり不快に感じたりすることが多いのでは・・・と想像しますが、どうもそのあたりの意識にも変化が及んでいるようです。