業績向上を目的とした組織改革や人材開発、リーダー開発の加速に向けてエグゼクティブ・コーチングを提供するコーチ・エィの「Coach's VIEW」から選りすぐりの記事をお届けします。
言いたいことは、どうしたら言えるようになるのか。

(文:コーチ・エィ 番匠武蔵)

「この部下は、なかなか意見を言わないな・・・」

 そう思ったことのある上司は少なくないと思います。では、部下はどんな時に、どんな理由で上司に意見を言わないのでしょうか?

 昨年末、コーチング研究所がメールマガジンの読者を対象に行ったアンケート結果があります。(※1)

部下が上司に率直に意見を言わない理由とは?

「あなたが上司へ率直に意見を言わない場合の主な理由は何ですか?」

 結果の1位は 「伝えても何も変わらないから(31%)」でした。「上司と部下」が共に働く関係だとすると、とても寂しい結果だと言えます。

 この回答に添えられたコメントのひとつには、「過去に自分の考えを伝えたが、聞こうとする姿勢が見られなかった。それが何度も続き、意見することが少なくなった」というものがありました。

 上司が部下の意見を無視し続ければ、こんな状態になってしまうのは当然のことです。その場合は、上司の対応そのものを変える取り組みが必要でしょう。

 しかし、上司が普段から部下の意見を聞き、職場全体が提案しやすい風土であっても、意見を口にしない部下もいるかと思います。

 4月に異動してきたメンバーも、新しい職場で1カ月。そろそろ環境に慣れて意見を言うようになってもおかしくない。それなのに、全然自己主張がない。

 そんな部下にもどかしさを感じている人もいるのではないでしょうか。