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女性の働き方を考える。

第2回人材育成イノベーションフォーラム セミナーレポート

「一億総活躍社会」――この言葉が聞かれるようになって久しい。これは2015年より政府主導で進められている経済政策のひとつであり、たとえば育児・介護支援、高齢者雇用の促進、非正規雇用者の待遇改善といった政策を打ち出し、労働者人口や労働者の可処分所得を増やそうといった取り組みが行われている。

 その中で叫ばれてきたのが、「働き方改革」である。これは、長時間労働の是正や同一労働同一賃金を目指すものであり、「一億総活躍社会」の実現に向けて最大のチャレンジと位置付けられている。

 それと時を同じくして成立したのが、女性活躍推進法だ。以来、企業の間では「女性活躍推進」というキーワードが飛び交っている。そこに注目したのが、東京大学の中原淳准教授とトーマツイノベーション株式会社である。両者は企業で働くビジネスパーソン約7500名を対象とする大規模な調査を通して、働く女性に関する科学的なアプローチを行った。

 その調査結果について発表すべく、平成29年5月18日、東京のベルサール東京日本橋B2F イベントホールにて、中原准教授とトーマツイノベーション株式会社による、「人材育成イノベーションフォーラム」が開催された。女性が働きやすい職場環境や長く働くための方法に関する調査結果の発表について、実際に女性活躍推進に取り組む企業のトークセッションの様子と併せてレポートする。

「女性活躍推進」に科学的にアプローチ

 フォーラムの冒頭、トーマツイノベーション株式会社 代表取締役社長 眞﨑大輔氏より開会のあいさつが行われた。2015年頃から「女性活躍推進」に対して科学的アプローチを行うため、2016年から2017年にかけて、同社のクライアントに勤める社員約7500名にアンケート調査を実施。中原准教授と共同でアンケート結果の解析・研究を重ねた結果、近年叫ばれている「働き方改革」と女性活躍推進は非常に密接な関係にあることがわかったという。

 眞﨑社長は「私は男性なので、『女性活躍推進』と言われても、経営者としてどうとらえてどう取り組めばいいのかわからないところがあります。しかし、調査研究を通して、私自身改めて女性活躍推進に取り組むにはどうすればよいのかについて発見できたことがあるので、我々が考案した解決策と併せて聞いていただければと思います」と述べた。