共産党との共闘路線はどうなるのか?
間もなく民進党の新しい代表が選出される。報道によれば前原誠司氏がリードしているようだ。この代表選挙で最も注目を集めているのが野党共闘路線、なかでも共産党との共闘路線がどうなるかである。
枝野幸男氏は、共闘路線の維持を明確にしている。他方、前原氏は「政策、理念が違う共産党との共闘はおかしい」と述べ、「見直し」を表明している。
ただ前原氏が代表になったとしても、直ちに共産党との共闘路線が取りやめになると決まっているわけではない。「見直し」たが元通り、ということもあり得る。だから「打ち切る」とは言わずに、「見直し」としか言わないのだ。
しかも前原氏の推薦人には、小沢氏側近と言われる松木謙公氏や小宮山泰子氏も名を連ねている。小沢氏は、今年1月の共産党大会に出席して大歓迎を受けたように、野党共闘路線を維持・発展させる上で、今や共産党が最も頼りにしている政治家である。
民進党内には、共産党との共闘に強い異論を申し立てる議員も少なくない。同時に、昨年の参院選挙の1人区で7人の民進党候補が当選を果たしている。共産党との共闘の成果であったことは疑いなく、共闘路線を取り止めることに最大限の抵抗をするだろう。
また前原氏は、小池百合子東京都知事との連携ということも模索している。この行方も、野党の共闘関係に少なからず影響を与えることは間違いない。他方、枝野氏は、小池都知事らを「自民党の補完勢力」と位置づけている。