トランプ大統領は「強いアメリカの再現」のシンボルの1つとして、大統領選挙中から一貫して大海軍再建を標榜し、国防予算、とりわけ海軍関連予算の大増額計画を打ち出している。
しかしながら、トランプ政権発足後半年を経過した現在まで、大海軍再建の司令塔となるべき海軍長官(海軍と海兵隊の最高責任者でシビリアンのポスト)人事が決定していない(これまでは代理海軍長官としてシーン・スタックリー氏が代行してきた)。トランプ大統領は6月初旬に元投資会社役員のリチャード・スペンサー氏を海軍長官候補に指名し、あと数週間以内には上院で指名認可がなされる見込みとなっている。だが、大海軍再建計画が順調に滑り出すまでにはまだまだ時間がかかる状況と言わざるを得ない。
順調に進んでいる中国の大海軍建設
一方、中国においても、「中国の国益を保護するための大海軍建設」が喧伝されている。共産党独裁国家である中国では、党が打ち出した「大海軍建設」はアメリカと異なり極めて順調に進んでおり、今後も加速度的に海軍力が強化されていくものと思われる。
ちなみに、2017年上半期に誕生した中国海軍艦(小型艇を除く)は以下の10隻である(表)。